None Ta Ma

本と映画と音楽と、散歩しながら思い浮かんだことをつらつらと。

陽光とあたたかさの手触りが、

なんだかもわもわと手に顔に触れてじんわりと汗を呼ぶ。

 

昨日は会社の偉い人が「席が近くだったのが運の尽きだったと思って頼みをきいてくれ!」と投げかけてきた会議の代打にうってでるコトとなりました。

もうすぐ期末。聴けば代役を頼まれた二つの会議が二つとも、最終回。

今までどんなことをされていて、伝えるべきメッセージのブリーフィングは受けたけれど、参加メンバーの顔触れを見て目を白黒。役員が出てるような会議ですやん。

 

ひとつめ。品質向上委員会。

お仕事柄、「資料の品質」というものがお客さんへの提供価値そのものに直結するわけだけれど、ミス・クレームをどうやって撲滅していこうか、という集まり。

エクセルの集計ミスやら寝坊、コミュニケーションギャップやステークホルダーのボタンの掛け違い。一年通して全部署で「起こってしまった」あれこれをコツコツ集計してきたのがこの委員会の主たる業績の様です。

 

突貫案件やら、プールアサインやら。

プロジェクトマネジメントそれそのものの能力不備は無論のこと、そこに手を回せず是正できない根本原因として高稼働、というのは厳然とある。他方で、それにかまけて「ミスを撲滅出来ない言い訳」とするならば、それはプロ失格、と言われても仕方ないやな、とも、当然思うのだ。他者の目が必要ならばそれを通す段取りと仕切りをするのが仕事というものだろう。

とはいえ、チェック機能を果たせる人材は、ほとんどがフロントに立って全国を飛び回っているものだから、それが機能するとは言い難い、という痛し痒しの状況にあることもまた、事実なのだろうけれど。

 

この一ヵ月ほど、採用活動やら会社の中期経営計画やら、全社営業会議やらに触れる機会が多かったので、「この会社って」ということを考える時間が長くなった。

コアコンピタンスはチャネルとマンパワーだろうなぁ、と、なんとなく。

売上高を創るための拠点構築のための必要条件が、

それすなわちクライアントへの役務提供成果である。

何故なら、仕事を紹介してくれるのが金融機関である以上、

仕事の成果もまた業績数値となって伝わるのも金融機関なわけで。

その意味では、「入ったのに成果があがりませんでした」はすぐさま白日のもとに晒されるのだ。

 

他方で、顧客とするのが中小企業中心、ということを踏まえれば、個社リソースの欠けがちな顧客に対して、専門バカでない労働力(かつ、専門性が必要であればレバレッジの利く)というのは相応に需要があるのだろう。ファーム規模がある、というのはこういう面でニーズを満たす裏打ちになるのだろうな、と思う。

 

肝心の「情報」「ソリューション」の強さについては、なんとも。

参入障壁を築くレベルのリサーチ/内部ナレッジなんてものは正直持っていないし、

いるとしても属人要素が強すぎる。それはやっぱり設立十数年の会社だなぁと思うところでもあるし、活かしきれていない社内リソースなんてたくさんあるのだなぁと思うところでもある。

 

 

ふたつめ。経営者のお悩み検討会。

個別のお客様を題材に、案件の情報を聴いて行ってみると・・・。

売上規模拡大に向けたアプローチを模索中、とのことで、アンゾフのマトリクスを切り口にあれこれとプロダクトやマーケットを挙げられていたけれど、問題はそんなところじゃあ、なかった。経営そのもの、もっといえば、数年後、次代の経営主体にあった。

 

会社の組織構成図とキーマンの特定、経営陣の人間関係と資本構成、過去の経営の軌跡と思惑を整理してみると、こんなにも鮮やかに会社の脳みそが見えてくるんだ、というんが新鮮だった。どんな案件でも当たり前に押さえなければならない要素なのだろうけれど、特にオーナー企業であればなおさら、という感じだ。

情報に触るにも手段と作法がある。当たり前にデータが揃っている大企業とは異なり、必要な情報に触りに行くまでに越えなければならなきゃならない段階がいくつもあるけれど、人間関係を築くところから、というのは、やっぱり基本なのだろうな、と思う。

 

最近、世の中における経営の関心事は「事業承継」と「M&A」なのだそうだ。

金融機関の動向をみると、そういう役務提供をできる様に組織編成をされている地方銀行も少なくないし、外部委託をせずとも自前で担ってフロービジネスをやろう、という向きもあるそうだ。

団塊の世代の引退時期ということは、現時点で経営の中枢にいる様な人たちが一斉に第一線を退く、ということであり、会社の首脳がガラリと変わる契機でもある。

単に、挿げ替えれば、経営は引き継がれるかといえば、それはNoだ。

だから「人的承継」がもてはやされるし、単なる物的承継で税負担を減らす、ことに留まるだけでは手当の出来ない、「次代への経営のひきつぎ」が脚光を浴びるのだろう。

 

 

知れば知るほどに、まだまだスタートラインが「見えた」くらいに過ぎないなぁというのを、突き付けられる想いだ。

 

 

すっかり春の風が吹く。

もうすぐ社会に出て丸3年が経つ。

 

私は、胸を張ってお客さんの前に立てる様に、なれただろうか。